被災者発信、メウロコ地震対策

防災だけじゃ足りない。防災・避難・復興まで、震度7被災体験を基に、リアルに指南します。

緊急地震速報から本震までの間に、何が出来るのか?

緊急地震速報の音を覚えていますか?

東日本大震災の後は、頻繁に鳴りましたね。

あの音が鳴ると、つい、身体が強張ってしまう方も多いでしょう。

 

緊急地震速報は、震源の近くで最初の揺れを感知し、揺れの大きさなどを予想し、警報を出します。

離れた場所では大きな揺れが伝わる数秒から数十秒前に、警報が発せられることが、このシステムの狙いです。

 

とはいえ、なかなか意図通りにいかず、地震を感じた後に警報が鳴ったり、誤作動が続いたこともありました。

 

震災後、地震慣れしてくると、警報が鳴っても、特に何もせず、周囲を見回すだけの人も多いのでは。

確かに、緊急地震速報は、ある程度、条件が整わないと、その効果を発揮しません。

地震の規模が大きく、かつ、震源からある程度、離れている場所に有効です。それでも、稼げる時間は、数秒程度が多いでしょう。

 

ただ、役に立たないシステムではありません。なぜなら、最初の数秒が命を分ける事があるからです。

 

まず、警報が鳴ったら、フリーズせずに、素早く頭を守りましょう。

家の中では、クッションなど。出先では、カバンが一番、身近です。

スーパーなら買い物かご、本屋では漫画本など、身近で丈夫なもので、とにかく頭を守って下さい。

姿勢を低くして、衝撃に備えます

飲食店では、テーブルの下へ。

コンビニなど店舗では、狭い通路は棚が倒れたり、商品が落下するので、入口近くの広い場所へ。

電車や地下鉄の中では、手すりに摑まって下さい。

ブロック塀からは離れます。

子供が一緒なら、親が上から覆いかぶさって下さい。

 

一つだけ、特殊なパターンがあります。

もし、昭和56年以前に建てられた木造の一階にいた場合は、緊急地震速報が鳴ったら、即座に屋外へ飛び出して下さい。

旧基準の建物では、震度7クラスの地震では、ほぼ100%倒壊すると言われています。

地震発生時に屋外に飛び出すのは、本来タブーですが、このパターンでは、飛び出すしか生存を確保する方法はありません。

 

震度7クラスの揺れで、家の1階が倒壊するまでの時間は、数秒から十数秒です。

緊急地震速報の数秒を合わせれば、逃げる事が出来るかも知れません。

 

こうした建物は、古い商店街の店舗などにも多いので、注意してみて下さい。

商店街の店は、道に面したところが広く開いているので、倒壊しやすいのです。

 

南海トラフ地震では、緊急地震速報が関東などの地域で有効と期待できます。

あの音が鳴ったら、素早く反応して下さい。

 

 

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震災時の夜の停電は、想像以上に怖いと知って欲しい

昨日、東京区部の広い範囲で停電があり、交通機関が止まるなど、混乱が起きました。

ただ、昼間の時間帯だった為、電気に消える怖さは感じなかったかも知れません。

 

大地震発生時は、停電が発生します。

夜の停電は、想像以上に恐ろしいものです。

まず、震災時の停電は、完璧な闇です。

夜に電気を消した時、目を凝らせば少しは見えるのは、街頭や電化製品の待機電源など、僅かな灯りがあるからです。

すべて消えてしまうと、目を開けても、全く何も見えません。

 

まず、地震の揺れで落下物が散乱していますが、それが把握できない怖さがあります。

阪神大震災の時、地震発生直後、灯りを求めて、這うような姿勢で、手探りで家の中を動き回っていました。

やっと灯りを見つけて、点けた瞬間、

「えーっ」と驚いて、声を上げてしまいました。

床には、足の踏み場の無い程、物が散乱していましたが、想像できていなかったからです。

床には、ガラスの破片もありましたし、ゾッとしたのは、観音開きの棚に入れてあったガビョウが、リビングの床に散乱していた事です。

灯りを点けるまで、こんな事態になっているとは、想像出来なかったのです。

不用意に動き回ると、危険です。

ベットの脇にスリッパなどを用意すると良い、と言われますが、大地震の後は絶えず余震が襲います。2.3歩、歩いては揺れる、という感じです。

ですから、暗闇では、四つん這いになって進んでいました。手や膝を怪我する可能性も高いです。

倒れそうな棚や、落ちそうな落下物も見えません。

暗闇の中は、危険がいっぱいなのです。なるべく家の何カ所かに、懐中電灯などを置きましょう。

 

屋外に避難する時も、足元や落下物の危険は、把握が困難になります。

懐中電灯等はあっても、局所的にしか見えません。

地割れや散乱する瓦礫、落下しそうなガラスや看板など、把握できないまま外を歩くのは、とても恐ろしいと感じます。

その結果、動きたくない、という感情が強くなり、避難が遅れます。

実は、私自身がそうでした。

 

夜の停電は、火災のリスクも高めます。

ロウソクなど火を使う人が増えるからです。

また、暖房器具やドライヤーなど、避難する前に電源を落とさなければなりませんが、暗闇ではスイッチが入っている事を忘れがちです。またブレーカーを落とすのも、忘れがちです。

その為、再通電した時に火災が発生する原因になります。

 

夜の停電は、何より恐怖心を高めます。

火災の炎を見て、パニックが起きるたり、混乱が起きる事も予想されます。

ランタンなどを、必ず準備しておきましょう。

 

 

地震対策アドバイザーとして、リアリティのある地震対策の普及に努めています。

今後も、身近な地震対策を発信していきますので、よろしくお願いいたします。

 

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熊本地震で耐震・免震の建物が、なぜ倒れたのか

熊本地震では、耐震・免震の建物や、現在の耐震基準を満たした建物にも、倒壊などの被害が出ています。

NHKで、その検証番組が放送されました。

 

一戸建ては、新基準の耐震を満たした築年数が浅い建物でも、一階が潰れた建物がありました。

その建物を検証すると、設計に問題点がある事が判りました。

 

ある住宅は、1階に20畳の広いリビングがありました。

その為、2階に比べ、仕切りの壁が1階には少ない状態だったのです。

壁は建物の揺れを支える為に、重要なものです。

その為、耐震基準を満たしても、1階が揺れに耐えられなかったのです。

 

また、1階の南面全てに広い窓を取った建物も、1階が倒壊しています。

デザイン重視で壁や柱を減らすと、強度は当然弱くなります。

広いリビングや、窓の多い開放的な住宅は、魅力的で消費者の求めるものでもあります。結果的に耐震に問題のある住宅が多数売り出されている事も現実です。

住宅倒壊は、身体的・経済的に大きな打撃を与えます。時には命さえ奪うのです。

特に1階は潰れやすい為、デザイン重視で選ぶのは危険です。

 

免震のビルなども、被害を受けています。

実は、土台のゴムを入れて揺れを逃がすタイプは、通常の地震では強いが、長周波地震動には弱いのです。

長周波地震動は、東日本大震災の時に、東京・新宿の高層ビルが大きく揺らされました。

南海トラフ地震では、離れた首都圏のビルも、被害を受けると予想されています。

 

免震装置は、通常の地震(短周波)地震を想定して設置されている為、長周波地震動の大きな動きには耐えられないのです。

 

要するに、免震・耐震とうたっている建物でも、基準を満たしているだけで、想定以上の揺れには、耐えられないのです。

そして、自然はいつも人知を超えてきます。絶対安全、はありません。

 

建物を安全に選ぶコツは、まず地盤を見る事です。

「地盤が悪くても、耐震の建物だから大丈夫」という考え方は危険です。

 

 

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