被災者発信、メウロコ地震対策

防災だけじゃ足りない。防災・避難・復興まで、震度7被災体験を基に、リアルに指南します。

地震対策は日常から。バックにアメ・チョコ、歩きやすい靴

地震対策は特別なモノを購入しなくても、ちょっとした事を日常に取り入れるだけで、簡単にできます。

 

まず、出勤など出かける時のバックに、アメやチョコレート、お気に入りのお菓子やシリアルバーなどを入れておきましょう。

飲み物も持ち歩いて下さい。ペットボトルやマイボトルを持ち歩いている人は多いですよね。

こうした簡単な心がけで、いざという時、大変助かります。大地震発生時、食料や飲み物があると無いとでは、全く気持ちが違ってきます。

 

靴は、歩きやすい靴を選びましょう。

大地震発生後、落ち着いてから、帰宅したり被災地から移動するため、長時間歩く事が想定されます。

職場でヒールのある靴を履きたい女性も、職場で履きかえる事をお勧めします。その方が足にもいいです。

 

これだけなら、誰でも気楽にできますね。

本当は、ラジオやライト、笛なども持つと便利ですが、これは全て、スマホでまかないましょう。

ですから、もう一つ、持ち歩いて欲しいのが、スマホのチャージャーです。

スマホは、地震発生時には、超便利グッスです。

インターネット環境が可能なら、SNSで情報収集が出来ますし、アプリでラジオも聴けます。災害ダイヤルなどを通じ、家族の安否も確認できます。

地図機能は、徒歩での移動に際に頼れる存在です。

短時間ならライトにもなりますし、笛にように自分に存在を知らせるアイテムにもなります。

まさに万能アイテムですから、電源はキープしたいです。

地震発生後、停電などでチャージ出来ない時期もあるとは思いますが、何かのチャンスで充電できるかも知れないので、スマホと共にチャージャーは持ち歩いて下さい。

 

いつも持ち歩くバックは、大地震発生時には、頭を守る重要なアイテムになります。丈夫なものが良いですね。

 

このように、少しの心がけが、大地震発生時には助けになってくれます。

何も備えていない、という人も、ここから始めてみて下さい。

 

 

地震対策アドバイザーとして、リアリティのある地震対策の普及に努めていきます。

今後も、身近な地震対策を発信していきますので、よろしくお願いいたします。

 

HP http://www.jisintlab.jp/ 地震対策ラボ

個別の地震対策点検、無料メール相談も受け付けています。

イベントやセミナー講師などもご用命下さい。

非常持ち出し袋のナンセンス。「大地震で避難する」の本当の意味を知って欲しい

非常持ち出し袋、用意していますか? 中に何を入れていますか?

市販品を購入した方も多いでしょう。

市販品の中身は、ラジオ、LEDライト、水、非常食、簡易トイレ、軍手、ロープ、ウエットティッシュ、給水袋、スリッパ、笛マスク、保温アルミシート、歯磨きセットなどが、一般的でしょうか。

値段は、数千円から2万円位する物もあります。思い切って高価なセットを購入すれば、内容も充実で、安心感を持てるでしょう。

 

こうした非常セットは、勿論役立つものです。

しかし、地震が起きた時、それだけ持って避難する事をイメージしていませんか?

それは、大地震の事を知らない、全くのナンセンスです。

「避難する」という、本当の意味を理解していないから、こうした誤解が横行しているのです。

 

大地震の際に「避難する」とは「暫く家に帰れない」という事です。

その期間も、数日? 一週間? 数か月? いつ自宅に帰れるか、判らないのです。

私は、阪神大震災の時に、最初は3日を想定して避難準備を進めました。その準備中に、被害の大きさが伝わってきて、1週間の準備に変更して、家を出ました。

しかし、結果的に自宅に戻れたのは2カ月後でした。

 

1週間の旅行に行くとしたら、持ち物はどれぐらいになりますか。

着替えや肌着など、最低限3日分必要になりますね。季節によって、だいぶ持つものは変わります。防寒具、雨具は必須です。

女性は衛生用品も忘れないように。

 

また、最悪の場合、一生戻れない事もあるのです。

避難している間に、家が燃えてしまったり、津波で流出してしまう事があるからです。

特に大都会の大地震は、震災火災の危険が高く、通常の火災のように簡単に消火は出来ません。耐火ビルさえ溶けてしまう程の高温の火災が押し寄せてきます。

また、当初は無事でも、余震で倒れる事もあります。

壊れて戸締りが出来なくなった建物は、火事場泥棒や悪意の放火にも無防備です。

 

「一生家に帰れない」と考えたら、非常リュック一つだけで、家を出れますか?

持つべきモノが、全く変わってくると思います。

「大地震で避難する」とは、こうした重い意味を持つのです。

 

持ち物で、まず最優先なのは、お金・現金です。

そして、通帳・印鑑・保険証・権利書・貴金属など貴重品です。

生々しいでしょ? これがリアルです。

お金があれば、水や食料も、どこかで手に入るかも知れません。

しかし現金は、被災地では簡単に手に入りません。銀行は非常時対応で通帳が無くても、お金の引出しをする予定です。

しかし、大混雑が予想されますし、義援金は数か月後です。

被災地でも、お金は必要です。カード社会ですが、現金は一定量、手元に置きましょう。

貴重品は、避難所生活を想定し、ウエストポーチなどに、肌身離さず持ちましょう。

 

スマホやタブレットも必須です。チャージャーも忘れずに。パソコンも大切なデータがあるなら、持てれば持ちましょう。

直後は使えなくても、電気が復旧すると、大変便利なアイテムです。

地震後、いち早く立ち上がる為には、情報収集が大切は鍵になります。また、情報発信・コニュニケーションも可能で、有ると無しでは、大違いとなります。

 

持つものの優先順位は、他では簡単に手に入らないモノ、が優先です。

家族の写真や、子供にあう紙オムツ、ペット用品も、これに当たるでしょう。

 

神戸の市民は、震災後、非常持ち出し袋も備えた人は、少数派でした。それは、非常持ち出し袋を持ち出せる状況は、他の物も持ち出せる状況、だと経験から知っているからです。

台所から食料も取れるし、着替えも引っ張り出せます。

一方、非常持ち出し袋を持ち出せない状況は、何も持ち出せません。

 

非常持ち出し袋の本当の重さを知っているからこそ、用品は身近に置いて、状況に合わせて準備する形をとる人が多いのです。

 

非常時は、現実的に持ち出せる重量・容量も限られます。

非常時にどうしても持ち出したいモノは何か、優先順位を良く考えて、非常持ち出し品を点検してみて下さい。

 

 

この度、地震対策アドバイザーとして、本格的に活動を開始しました。

リアリティのある地震対策の普及に努めていきます。

今後も、身近な地震対策を発信していきますので、よろしくお願いいたします。

 

HP http://www.jisintlab.jp/ 地震対策ラボ

 個別の地震対策点検、無料メール相談も受け付けています。

イベントやセミナー講師などもご用命下さい。

マンションと一戸建て、地震対策で有利なのはどっち?

マンションと一戸建て、地震対策を考えると、どちらが有利なのでしょうか。

今後、住宅購入を考えている方も参考にして下さい。

 

木造の一戸建てと、鉄筋鉄骨製のマンションを比べると、建物強度はマンションが勝ります。

 

ただ、マンションは築年数により耐震基準が違います。

1995年の阪神・淡路大震災以降、基準も厳しくなり、耐震を強化した建物も多くなりました。

ただし、耐震・免震の建物でも、一定の基準を満たしているだけで、絶対とは言い切れません。

また、耐震基準を本当に満たしているのか、正しい工事が行われているのかは、信じるしかありません。

横浜の大規模マンションが傾き、建て替えする事になりましたが、地震後、手抜き工事が表面化する事もありそうです。

 

一方、一戸建ては、自己所有であれば、耐震強化が自在にできます。

建築の際に、土台を強化したり、柱や壁を補強したり、屋根(瓦)を軽量にしたりできます。

家主が工事過程を目視して確認できるので、安心度も高くなります。

 

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地震発生後、修理する場合はどうなのでしょうか。

修理のし易さなら、一戸建てが有利です。

罹災証明発行後、工事業者さえ見つかれば、一戸建てはすぐに修理が開始できます。

 

一方、マンションなど集合住宅は、住民の一定量の賛同を得ないと、修理は開始できません。

大地震後には、遠方避難などで、住民と連絡を取るのにも一苦労です。

連絡がついても、個人個人の事情が異なり、意見はなかなかまとまりません。

最終的には、住民の費用負担の話になりますが、金銭的負担を拒否する人が出れば、話は進みません。

 

私は阪神・淡路大震災の際に315戸の大型マンションに住んでいて、運悪く管理組合の役員の年で、ヒビだらけになったマンションの補修を経験しました。

工事よりも、住民捜索や、金銭負担を拒否する人を説得するなど、話をまとめるまでが、大変な苦労でした。

 

修繕費用の負担は、マンションの方が、若干楽かも知れません。

それは、マンションの場合は、多くの場合、修繕積立を行っているからです。

私の住んでいたマンションは、戸数が多いのと、10年目の大補修の前に地震にあった為、修繕費がある程度プールしてあったのが救いでした。

各戸の負担額は250万程でしたが170万円は修繕積立金をあて、残りの80万円の負担で済みました(共同スペースのみ)。

 

比較的上手くいった例ですが、住民負担が大きかった建物も多くありました。

建て替えなどの場合は、更に困難な問題が山積みになります。

従来の建物より階数を増やし、分譲して、建て替え費用に充てる方法が、阪神・淡路大震災では使われました。

しかし、それは、住民のコミュニケーションが良好な場合に可能な事です。

建て替えは住民の費用負担も大きく、再建期間も長くなり、賛成派、反対派が対立すると、意見統一は困難になります。

 

一戸建ての場合は、地震保険の他は、原則全て自己負担です。

建物が一見被害が少なくても、土台がずれると、意外と費用がかかります。

傾斜地で土台をジャッキアップした知人宅は、修理費用が一千万円を超えました。

 

マンションと一戸建て、一長一短ですが、自由が効くという点では、一戸建てがやや有利かも知れません。

マンションの場合は、信頼できる業者を選んで下さい。

 

地震でかかるお金の話を詳しく知りたい方は、この本に詳しく書いています。参考にして下さい。

 

震度7を生き抜く―大震災から命を守るために

震度7を生き抜く―大震災から命を守るために