被災者発信、メウロコ地震対策

防災だけじゃ足りない。防災・避難・復興まで、震度7被災体験を基に、リアルに指南します。

その非常持ち出し袋では危ない。大地震で、まず持つべき意外なベスト3とは。

非常持ち出し袋、備えていますか。


防災と言えば、まず皆さんが思い浮かべるのが、これですね。
高価な市販品を購入して、安心している方も多いでしょう。勿論、準備した方がいいです。自分で揃えるよりは楽に最低限のモノは揃いますから。
でも、それだけで、本当に大丈夫でしょうか。


多分、イマジネーションに欠けている内容だと思います。

つまり、実際の被災体験のリアルさがない、内容が物が多いのではないか、と想像するのです。


例えば、1週間の旅行に行くとしたら、どれぐらいの荷物になるでしょうか。
男女や個人差はかなりありますが、3日分の下着の代えは欲しいですよね。季節によって、衣類など持ち物はだいぶ変わる筈です。


皆さん、非常持出し袋を持って避難するのは、どんなシチュエーションですか?
避難所に1泊ぐらいして、すぐに自宅に帰れるとか、考えてませんか。
避難先から3日、1週間、1か月、あるいはもっと長く、帰れないかもしれません。
実際に、私は1週間の避難のつもりで家を出て、自宅に戻れたのは、2カ月後でした。
福島など、避難からいまだに自宅に帰れない方もいらっしゃいます。
もしかしたら、避難の後、火災で家が燃えてしまうかも知れません。
数か月、もしかして一生自宅に戻れないと考えると、非常時に持つモノは、変わりませんか。
そこまで危機感を持って備える人は少ないと思いますが、それほどシビアなモノなのです。

 

そこで、非常時に最優先で持ち出すべきモノ、ベスト3をお伝えします。水? 非常食? 医薬品?

いいえ、ズバリ ①現金 ②通帳 ③印鑑 です。

リアルでしょ。まず、被災地で手に入らないものを優先して下さい。
現金はなかなか手に入りませんよ。被災地ではお金がかからないと勘違いしている方がいますが、お金は絶対に必要です。

お金があれば、水や食料は売って貰える可能性はあります。阪神大震災の時には、大金持ちの方が現金を持っていなかった為に、数日飲まず食わずだったという話があります。カード社会ですが、現金はある程度手元に置いておきましょう。
また移動手段を確保できるかも知れません。被災地から出て安全を確保するにも、お金は重要になります。
通帳と印鑑に関しては、銀行は震災時には特別対応として、無くても預金の引き出しが出来るとしています。しかし、自身で持っていた方が安心でしょう。被災した家には、火事場泥棒に狙われますし。それと、身分証明書もお忘れなく。
こうした貴重品は、避難所では肌身離さず持ち歩かなくてはなりません。その為に、ウエストポーチや肩掛けバックなど、リュックとは別に用意が必要です。
最近では、防災用ベストも市販化されています。

被災地で手に入らないモノ、といえば、家族の写真もそうです。大切な思い出ですし、離れ離れになった時の捜索にも役立ちます。
アルバムの管理はクラウドなどを賢く利用して、最低限の写真を持ちましょう。
乳児のいる家庭では、子供の体形に合ったオムツも持ちたいですね。
人によっては、権利書や貴金属などもあるかも知れません。
あと、持つことが可能なら、タブレットなどのPCも、持つことをお奨めします。すぐに使える状況かは判りませんが、後々、情報収集に絶大なる威力を発揮します。被災地では情報が入りにくく、情報収集が速やかな立ち上がりへの鍵を握ります。持出しの際は、チャージャーも忘れずに。

どうですか? だいぶ、非常持出し袋のイメージが変わってきましたか。

実は、私は非常持出し袋を備えていません。
え? 人に防災を薦める立場で、何言ってるの? と驚かれたでしょう。
実は、非常持出し袋を持ち出せる状況というのは、意外といろいろなモノが持ち出せる状態です。衣類や食料も持ち出せます。
非常持出し袋が持ち出せない状況というのは、何も持ち出せません。
それを、被災体験から知っているからです。
準備していないのではなく、季節や状況によって、持つものも異なりますので、フレキシブルに対応できるようにしています。
そもそも、出先で地震にあったら、意味もないですし。

地震への備え=非常持ち出し袋

と考えている方。本当の備えは、そこじゃないんです。
本当の備えとは、命を守る事です。
シビアな話になってしまいますが、イマジネーションを膨らませて、防災iの根本から変えていくことが大切です。