被災者発信、メウロコ地震対策

防災だけじゃ足りない。防災・避難・復興まで、震度7被災体験を基に、リアルに指南します。

本当の地震への備えとは「命を守る事」。お金をかけずに、すぐ出来る対策とは

地震対策と言うと、まず耐震化があげられます。

確かに、阪神大震災の時の、死因のトップは圧死です。建築物の倒壊は、すぐさま人命に関ります。
ただ、勿論、すぐに耐震工事が出来ればいいのですが、予算上、なかなか厳しく踏み切れない方も多いでしょう。


でも、今,、すぐ、お金をかけなくても出来ることはあります。
少しでも生存確率を上げるために、出来る事をお伝えします。


まず、自分の住む住宅が、いつ建てられたか、調べて下さい。


昭和58年以前に建てられた建物は、殆んど震度7クラスの大地震には耐えられません。特に、木造住宅は、ほぼ100%近く倒壊すると言われています。即、命の危機です。
せめて、生存確率を上げるには、木造住宅の方は、絶対に2階に寝て下さい。2階建の場合は、ほぼ例外なく1階が倒壊します。2階なら、多少希望はあります。


ただ、こういう住宅は1階にトイレがある為、高齢者は1階に寝ている事が多いと思います。
2階に簡易トイレを設置するか、耐震化するか、転居するか、なんらかの対策が必要です。寝室だけ耐震化するシェルターも実用化されており、補助金をだす自治体もあります。
高齢者の方は、この機会にバリアフリーの耐震建物への転居も検討されてはいかがでしょうか。
大切な命です。考えて下さい。

 

平成7年(1995)、阪神・淡路大震災以前に建てられた建築物も、耐震的には充分とは言えません。
特に、一階部分が駐車場だと、一階が潰れて無くなってしまったマンションなども多かったです。
また、鉄筋・鉄骨の建物でも、中層階がグッシャっと潰れるように壊れた建物が、阪神地区では市役所や病院など、多く見受けられました。


ちなみに、中層階の破壊は人間の生存スペースは残るとされていますが。
建物の構造で、どの階が危ないか判りません。

耐震化が今すぐ難しいのであれば、まずは大きな揺れに対応できる室内環境の整備を進めて下さい。

 

阪神・淡路大震災以降に建てられた建物は、基準も厳しくなったし、消費者のニーズに合わせて、業界的にも耐震化が進みましたので、ある一定の耐震基準は満たしていると思われます。
ただし、データ偽造もありましたし、絶対ではありませんが。
やはり、大きな揺れに備えて、室内の環境整備を進めて下さい。

では、室内での対策は、どうしたらいいでしょうか。

家具の固定は基本ですが、素人工事ではほぼ役にたちません。
壁の中の梁にしっかり固定しなければならないので、専門業者に依頼して下さい。
ただ、賃貸などで固定が難しい方も多いでしょう。


ツッパリポールは、震度7クラスではほぼ意味がありません。

それより、タンスの上に隙間がある時は、段ボールに衣装などを詰めて、隙間の埋めると、意外な程の強度を発揮します。

ひとつ、いい方法をお伝えします。倒れるありきで、家具を配置するのです。

まず、家の中の大型家具が全て倒れると想像してみて下さい。
そして、倒れる前提で、配置を見直して下さい。
例えば、タンスの真横に寝るなど、絶対にダメですよ。
大型テレビなども、立派な凶器になります。家具は倒れるだけではなく、飛ぶこともあります。
どうですか? 家族の寝る場所、過ごす場所は安全ですか?

問題があるなら、すぐに対策を始めて下さい。
一番いいのは、せめて寝室には大型家具を置かない事です。


神戸では、大震災以後、タンス部屋をつくる人が多くいました。大型家具は専用部屋に集め、寝室は普段過ごすスペースには置かないようにしています。家具の恐ろしさを知ったからです。


今、タンスが危険な場所にあって、すぐに移動できないなら、人間の方を動かして下さい。発想の転換ですね。

 

地震の最初の揺れを「ファーストアタック」と呼びます。このファーストアタックから命を守るのが、最重要です。
これが出来なければ、全ての地震対策が無駄になりますからね。

ベストの地震対策はなかなか難しいのですが、まずは今すぐできる事から地震対策を始めて下さいね。