大地震の時に「みんなと一緒なら大丈夫」は通用しない。危険な罠とは?
昨日の「正常化バイアス」に続き、災害時に知っておきたい言葉「多人数同調バイアス」について解説します。
これは言いかえると「みんなと一緒なら大丈夫」と思い込む事です。
しかし、大地震など災害時には、判りますね。大丈夫じゃありません。
でも、判断を狂わす、とても怖いバイアス(思い込み)なのです。
例えば、どちらに逃げていいか判らない時に、みんなが右に逃げたら、あなたも右に逃げてしまいますよね。
でも、右に逃げた方が安全かどうかは、誰にも判っていないのかも知れないのです。
例えば、避難所で大勢の人がそこに留まっていたら、自分もそこで留まろうとしてしまいますよね。
でも、そこが安全とは誰も保障してくれません。
大正の関東大震災では、4万人近くが集まっていた避難場所に火災旋風が襲い、9割以上の人が命を落としています。
大地震の後は、情報が少なく、安全の判断は誰も出来ません。
その時、絶対に判断を他人に委ねてはいけません。
また、防災の知識の乏しい方は、人の避難を誘導するような行為も、絶対にしてはならないのです。
間違った判断が命に関るのが、大地震の現場です。
「津波てんでんこ」という言葉が、東日本大震災後に注目されましたね。
津波の時には、自分自身の判断で、バラバラに逃げろ、という教えです。
大川小学校の悲劇を、忘れてはなりません。
間違った避難誘導で、学童や教師のほとんどが津波に命を奪われてしまいました。
僅かに生き残った方が、勇気をだして語ってくれています。
生き残った方々の多くは、自分の判断で逆方向に逃げた人でした。
大地震の発生時は、次々と判断が迫られます。
どう動けば安全なのか、少ない情報の中で、判断しなければなりません。
だからこそ、正しい判断能力が身に付くように、防災知識を学ぶ事はとても重要なのです。
以前、学校の校長先生と話した事がありますが、大地震の時の避難所の長のなるであろう校長先生も、防災教育は殆ど受けていないようです。
避難誘導の立場にある方も、防災知識が充分な方は少ないのでは。
大地震の時は、誰も命を補償してはくれません。
知っていると役立つ防災知識は、沢山あります。
まず知って、正しい判断能力を身につけて下さい。