被災者発信、メウロコ地震対策

防災だけじゃ足りない。防災・避難・復興まで、震度7被災体験を基に、リアルに指南します。

大地震の後に、家の中に留まるのは危険。その2つの理由とは

地震が起きた後、家がとりあえず無事だった時、避難しますか?

実は、正常化バイアスという心理状態が働き、人は動きたくなくなるのです。

とりあえず留まって、様子を見ようとしがちです。

 

でも、これは想像以上に危険な事なのです。

その2つの理由をお伝えします。

 

まず、内部配管が破壊されている可能性がある事です。

つまり、一見室内が無事であっても、ガス漏れの危険性があるという事です。

 

阪神大震災の時、我が家は漏水に襲われました。

水が漏れたのは、和室の天井です。

和室の天井のあちこちから水がしたたり落ちて、バケツや鍋など、あらゆる物を置いて水を受け止めなければなりませんでした。

勿論、和室ですから、近くに水場などありません。

マンションの13階でしたが、その上の14階から最上階の17階まで、また下の階も、同じ漏水の被害に遭いました。

中には、かなり水量も多かった階もあり、和室は水浸しになってしまいました。

上の階も全て同じ間取りのマンションでしたが、どこから水が漏れたのか、謎でした。

地震の後は、思わぬ事が起きるのだと、驚きましたよ。

その後、漏水は止まりましたが、マンションの修理に際に、原因究明には天井を剥がす必要があると言われ、結局諦めました。

いまだに原因は不明ですが、内部の配管が緩むか、破壊された可能性が高いでしょう。

水が漏れるのですから、ガスが漏れても、おかしくありません。

 

灯りの確保の為にローソクを使ったり、煙草を吸ったりで、火気を使うと大変危険です。

停電後の通電で、ショートする可能性もあります。

内部配管の損傷は、外からでは判りませんので、室内が一見無事でも、ガス漏れのリスクを考えて、屋外避難をして下さい。

 

もう一つは、余震など更なる地震で、建物が倒壊する恐れがあるからです。

震度7クラスの揺れに襲われた後の建物は、内部構造が痛んでいる可能性があります。

建物の重要な柱や梁にヒビが入っていても、壁を剥がさないと判りません。

 

地震の後は、大きな余震が断続的に襲います。

一度痛んだ柱や梁が、何度もの揺れで、更に破壊が進む可能性が高いのです。

ですから、一見室内が無事でも、余震で建物に致命的なダメージを受ける可能性があるのです。

熊本地震では、1度目の地震には耐えても、2度目の震度7で倒壊した建物も多くありました。

 

実は、私は阪神大震災の時に、暫く室内に留まっていました。

壁はヒビだらけでしたが、とりあえず倒壊はしなかったし、動くのが怖かったからです。

でも、震度7に襲われ壊れた建物は、余震で揺れる度の、気持ち悪い音がするんですよ。ギッチギチという、コンクリートと鉄骨が擦れるような音です。

何時、倒壊するかという恐怖に襲われました。

実際、余震で倒れた建物も複数ありました。

 

以上、2つの理由から、大地震の後に室内に留まるのは、大変危険です。

一見室内は大丈夫でも、速やかに屋外避難して下さい。

タワーマンションの高層階では、室内に留まる方が安全と言われていますが、同じ理由で、お薦め出来ません。