被災者発信、メウロコ地震対策

防災だけじゃ足りない。防災・避難・復興まで、震度7被災体験を基に、リアルに指南します。

首都圏直下型地震が迫る東京都が抱える深刻な問題とは

関東に有感地震が続き、首都圏直下型地震も近いかも知れません。

地震への備えは、大丈夫ですか?

 

実は、首都東京は、他に比べ、深刻な問題を抱えているのです。

それは、人数の多さです。

 

東京は、朝夕のラッシュの電車は大混雑です。

よく、休日に遊びに出ると、大渋滞や大行列に出くわす事はありませんか。

考える事は皆同じらしく、自分がやろうとする事は、皆もそうなんですね。

連休ともなれば、高速道路は大渋滞。

ディズニーランドなどレジャー施設や有名飲食店など大行列で、東京の人は行列にもう慣れっこですよね。

 

でも、この人の多さが、震災の時には、大きな問題になります。

例えば、断水して水が給水車から配給されるとしましょう。

どれぐらいの行列になると思いますか。

恐らく何時間も並ぶ必要があるでしょう。

並んでも、給水車が空になって、水は手に入らないかも知れません。

 

食料など救援物資も同じです。

こうしたモノは、全てに人に平等に、が基本ですが、人数が多ければ、全員には行き渡りません。

 

被災した人数が多ければ多い程、受けられる援助の質は悪く、また時間がかかるのです。

 

こんな話があります。

新潟地震の被災者から、「炊き出しは助かるけど、トン汁ばっかり食べられない」という声が出たそうです。

私は、この話を聞いて、涙が出そうになりました。

阪神大震災では、被災者が100万人を超え、炊き出しが行き渡る人はほんのわずかでした。

この違いは、被災人数の違いからくるものです。新潟地震の被災者には手厚い支援が行き渡りましたが、人数が多かった阪神では、支援が行き渡らなかったのです。

 

1000万人都市、東京だと、更に事態は深刻です。

 

東京に住んでいる人なら、イメージしてみて下さい。

全ての人に、速やかに支援物資が行き渡ると思えますか?

何をするでも、大行列、大混雑で、何時間並んでも、望むモノは手に入らないかも知れません。

 

また、東日本大震災の後で、買い占めが起きて、コンビニにモノが無くなりましたね。

 

これは、阪神の時には、見られなかった事です。

実は関西は「小さな村」と言われ、周りに顔見知りが多いからです。

自分だけ、という考えではなく、震災直後から譲り合いが行われていました。

私も、震災後に近くのお店で食料を分けて貰いましたが、みんな、一つだけ食料を買っていました。

 

東京は、様々な地方の方や、世界中の人々が住んでいます。そして、隣人の顔も判らないのが普通です。

自分だけ、と買い占めに走るのは、とても怖いと思いました。

 

救援物資が行き渡らないと、苛立ち、割り込みなどトラブルになる可能性もあるでしょう。

最悪の場合、スーパーなどで略奪が行われるのではないか、と心配しています。

 

その混乱を避けるためには、まず地震後は公助に期待せず、自力で生き延びる事です。

最低でも3日分の食料と水を用意しておきましょう。

 

地震後の避難についても、同じ事が言えます。

小学校の体育館など、あっと言う間に埋まってしまいますよ。

屋根のある場所に入れるラッキーな人は、ほんの僅かなのです。

 

ちなみに、阪神大震災で大変助かったのがテントでした。神戸の人はアウトドア好きが多く、これが震災時に役立ったのです。

屋根のある避難所に入れなかった人々は、校庭や川の土手、駐車場やゴルフ場など、あるゆる場所にテントをはって暮らしました。

 

また、被災後は仮設住宅に入れる、と思っている人はいませんか。

考えてみて下さい。

何百万人の被災者の為に、仮設住宅を建てる土地が、東京にありますか?

また、何百万人の入居が、速やかに行われるでしょか?

東京都や区の職員は、経験が無く、対応に追われ、大混乱です。

仮設住宅や借り上げ住宅の入居は、数か月から年単位かかるかも知れません。

 

ですから、避難生活は長期化が予想されます。早期の他県避難など、柔軟な対応が必要です。

 

被災人数が多いと、義援金の額も少なくなります。

支給されるのは、義援金の総額を、被災者の支給対象者で割った額だからです。

奥尻島地震津波による被害があった時は、義援金の額は一戸あたり一千万円を超え、義援金で住宅再建が出来ました。

一方、阪神大震災では、1戸あたりわずか10万円でした。支給対象者も限られ、殆どの人は何も貰えていません。

 

このように、人数の多さは、震災時には大きな問題なのです。

混乱に巻き込まれず、公助に期待せず、自分の身は自分で守る心構えが必要です。