大地震後に煙が見えたら、すぐ避難を。震災火災の恐ろしさ
東京など都市部の住宅密集地で、特に地震後に怖いのは、火災による被害です。
不燃化が進んでいる地区でも、安心は出来ません。
震災時の火災は、通常の火災とは、まったく違います。
その恐ろしさについて、お伝えします。
まず、震災時には、同時多発的に火災が発生します。この時点で、消防車による消火は、限界を超えてしまいます。
また、倒壊する建物が消防車の侵入を阻んだり、消火用の水が出なかったりで、初期消火が遅れると、火は瞬く間に広がっていきます。
不燃化が進んだ建物でも、窓が少しでも開いていれば、容易に延焼してしまいます。
延焼した火災を広げる要因が、もう一つあります。
駐車している車です。
高温の炎で車が燃えると、ガソリンタンクが爆発し、ガソリンを周囲に撒き散らします。
燃料を得た炎は、更に勢いをまして、燃え広がっていくのです。
やがて、炎は高温となり、周囲を焼き尽くしていきます。
こうなると、鉄筋のビルでさえ、溶けてしまう程です。
阪神大震災の時に、火の海になった長田で、キャラメルのように溶けてひしゃげたビルを見ました。
また、JR長田駅の前には、10階建て位の商業ビルが建ち並んでいましたが、震災後は跡形もなくなっていて、ホームからは焼野原と背後の山が見え、ビックリしました。
震災火災は、ビルさえも跡形もなく焼き払ってしまうのです。
高温の炎は、赤くないんですよ。ガス火の様な、青い炎です。
例えば、小学校の校庭に人が避難している場合、校舎の裏側に炎が迫るだけで、校庭の人が焼け死ぬとも言われるほど、高温です。
小学校などの避難場所は、火災に安全が保障されてはいないのです。
火災から身の安全を守る為には、広域避難所への避難が大切となります。
震災火災の延焼スピードは驚くほど速く、通常の感覚では、逃げ遅れてしまいます。
狭い路地などが多い地区では、倒壊した建物で袋小路にようになってしまい、閉じ込められる事もあるのです。
また、火炎旋風と言われる炎の竜巻が発生する事もあります。
関東大震災では、数万人の方がこれで犠牲になったと言われています。
大地震の後に、遠くに煙が見えたら、すぐに広域避難所に避難をして下さい。
その際は、遠回りでも大きな道を選びましょう。
念のため、貴重品や大事なモノを持つことも忘れずに。
ブレーカーは、必ず落として下さい。
また、通電火災といって、地震で停電後、再通電した時に火災が発生する事もあります。
火災の危険性は、地震直後だけではない事も、覚えていて下さい。