被災者発信、メウロコ地震対策

防災だけじゃ足りない。防災・避難・復興まで、震度7被災体験を基に、リアルに指南します。

高速道路走行中に地震があったら? マニュアル通りにいかない現実

もし高速道路を走行中に地震にあったら、どうすればいいのでしょうか。

 

マニュアルでは、スピードを落とし路肩に駐車するとなっています。

しかし、現実はセオリー通りに行かない事も多いのです。

 

以前、首都高速道路を走行中に、地震にあったことがあります。

小笠原諸島西方沖M8.5で、東京では震度5強の揺れでした。

運転していても強い横揺れを感じ、標識が横に激しく揺れていましたので、地震だと判りました。

ただ、どれぐらいの震度なのか、運転していると判りません。

電光表示でも「地震発生、走行注意」の表示が点灯し、スピードを落とそうと思いました。

しかし、周りが高速で走っているので、私の車だけが急にスピードを落とすのは危険です。

路肩に止めようとしても、首都高速は狭い2車線で、路肩に停めるスペースもありません。

車の量も多く、車間距離も詰まっていて、速度を落とすと追突事故にもなりかねない状況です。

速度制限の表示は特にありません。

結局、周りに合わせて、高速走行を続けるしかありませんでした。

たまに、分岐のスペースなどに駐車している車もありましたが、かえって危険な気がしました。

 

このように、たとえマニュアルを知っていても、実際にはセオリー通りに行かない事も多いのです。

阪神大震災の時のように、もし走行した先の高速道路が倒壊していたら、恐ろしいことになりますよね。

 

高速道路の走行中の対応が、多くのドライバーにまだ行き渡っていないのが、今回の原因です。

また、表示でスピード制限するなど、的確な表示をするべきです。

 こうした対応は、まだ進んでいないのが現状です。

 

ドライバーは、状況を把握しながら、ラジオなどで情報収集を図り、次のインターで降りて安全確保を図るなど、臨機応変な対応が望まれます。

 

また、一般道路を走行中も、路肩に駐車するのがセオリーです。

ただ、場所によっては渋滞を助長してしまう恐れもあります。

車に鍵をつけたまま、路肩に車を置いて避難する事になっていますが、ドライバーにとっては、車が盗難にあう危険性もあり、勇気のいる行動ですよね。

 

車にはカーラジオがあり、情報収集に役立ちます。

また、車内にいると、パーソナルなスペースで安心しますし、駐車する場所によっては、安全もある程度確保できます。

もし、車に乗っていて地震にあったら、渋滞など起こさず落下物の心配のない場所に車を止めて、暫く様子を見るのもいいかも知れません。

 

このように、マニュアルは震災の現場の実情に合っていない事も多いのです。

時には身の安全を図る為、状況をみて各自判断をする事が大切です。