被災者発信、メウロコ地震対策

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「活断層型地震」と「プレート境界型地震」はどう違うのか。揺れ方の特徴と対策

私は、「地震ソムリエ」だと自負しています。

阪神大震災や東日本大震災など、様々な地震を経験してきたので、揺れ方の違いが感じ取れるようになりました。

地震の揺れを感じて、吟味する事で、地震の発生メカニズムや、震源からの距離などが判るのです。

 

地震には、大きく分けて、「活断層型地震」「プレート境界型地震」「プレート内地震」の3つがあります。

特に、「活断層型」と「プレート境界型」では、揺れ方が全く異なります。

揺れ方が違うと、被害も異なり、その対策も異なります。

自分の住む土地では、どちらの地震のリスクが高いかを知って、対策して下さい。

 

活断層型地震

活断層型地震は、地表を覆うプレートが割れて、ずれる事で発生する地震です。

プレートを押し付ける力や、引っ張る力が原因になります。

兵庫県南部地震(阪神大震災)や熊本地震がこのタイプです。

ずれ方の違いから、逆断層型、正断層型、横ずれ断層型があります。

 揺れ方の特徴

最初の揺れが突発的で、大きいのが特徴です。

まず、プレートの破壊から始まり、その後、ずれる動きがあるからです。

まず、ドスンと突き上げるような揺れや、バンッと破壊波が来ます。

その後の揺れ方は立体的で、四方八方に振り回すような揺れや、ガンガンと段階的にずれていく動きがあります。

活断層型地震は爆発に近い動きなので、いわゆるグラグラという地震のイメージとは異なります。

 被害の特徴

住宅など建物への被害が大きいのが特徴です。

揺れ方が立体的で、振り回すような3Dの揺れなので、木造住宅などは、基礎が揺れに耐えられないのです。

耐震構造の建物でも、複雑な揺れによって、構造が破壊されることがあります。

熊本地震では、耐震基準を満たしていた建物にも、被害が多数確認されました。

 

活断層地震は、プレート境界型地震に比べると、被害の範囲が極地的で狭いという特徴もあります。

狭いとは言っても、神戸市は約半分ですから、あくまでも比例的な表現です。想定される首都圏直下型地震でも、東京都の約半分が甚大な被害を受けると想定されています。

 

また、揺れの地震が短いのも特徴です。

阪神大震災は、本震は約14秒でしたが、その短時間で神戸市の半分は、ほぼ壊滅したのです。

揺れを感じた瞬間に激震になる事も多く、揺れ始めたら何かするような時間的余裕はありません。

震源が浅く内陸にあるので、地震の規模(マグニチュード)がさほど大きくなくても、直上の震度と被害は大きくなります。

有効な対策

基本的に、震源地と断層に近い程、揺れが激しく、震源に近い場所では、タンスが飛ぶような激烈な揺れが襲います。

ですから、対策としては、活断層の近くに住まないのが一番です。

ただし、東京など、活断層の調査が進んでいない場所も多いですし、未知の活断層も多数存在します。

その為、対策としては、建物の耐震化を進めたり、室内の安全化を進める事が重要です。

 

全国的の発生の可能性はありますが、特に関東、中部地方、関西、中国地方、四国などは、活断層地震に注意が必要です。

 

プレート境界型地震

プレート境界型地震は、重なるプレートの境界がずれ動く事で発生する地震です。

日本列島付近では、プレートの沈み込みが主な原因となります。

東日本大震災や大正関東大震災がこのタイプの地震でおきました。 

揺れ方の特徴

横揺れがだんだん大きくなるのが特徴です。

震源がやや遠い場合は、まず縦揺れが来て、その後に横揺れが来ます。

グラグラとした揺れが、やがてガタガタとした大きな揺れになります。

プレート境界型は、揺れが反復して増強されることもあり、長周波地震がおきる事も多く、本震以上に揺れが続く事があります。 

被害の特徴

津波被害が起きる事が特徴です。

プレート境界は、海上に位置している事が多く、津波の被害と直結します。

また、沿岸の埋め立て地などでは、液状化の被害がおきます。

揺れが反復して起きる長時間地震動や、ある特定な地震の揺れが大きくなる長周波地震動により、高層の耐震の建物にも被害が出る事があります。

 

プレート境界型地震は、被害の範囲が広いという特徴があります。

南海トラフ地震は、もし東海・東南海・南海・日向灘が連動したら、関東以西全域が被災すると想定されています。

 

また、揺れの地震が長いのも特徴です。

東海地震は、3分以上揺れ続けるとも言われています。揺れが関東平野を囲む山地で跳ね返るからです。

揺れが徐々に強くなる事が多いので、安全な場所に身を隠したりする時間的余裕がある可能性もあります。

ただ、耐震性の高い建物でも、長時間揺れ続けると倒れる、との実験結果もあります。

安全と思われた建物でも危険になるのです。

震源が海洋にある場合も多く、震源が遠いと、地震の規模(マグニチュード)に対して、震度は大きくならない事もあります。

ただし、関東などでは、直下でプレート境界型が発生する可能性がありますので、注意が必要です。

有効な対策

基本的に、場所と建物によって、危険度が変わります。

沿岸部では当然、津波や液状化の危険性が高くなります。

高層ビルなども長周波地震動によって被害を受ける事があります。広範囲に住宅が被害を受ける事で、震災火災が大火になる可能性も高いです。

対策としては、まず津波対策が一番になります。沿岸部では、揺れを感じたら、素早く避難する習慣をつけましょう。

高層住宅では、家具の固定が必須となります。素人工事ではなく、業者に依頼して、内部に梁にしっかりと固定して下さい。

地震後は、火を使わないようにしましょう。免震ブレーカー設置など、火災防止に各自が気を配って下さい。

 

特に関東以西と北海道ではプレート境界型地震に注意が必要です。

 

このように、地震のメカニズムによって、被害も変わってきます。

自分のいる土地の危険性を知って、対策して下さい、