大地震の時にはパニックが起きる? パニックが起きる条件と回避する方法とは
大地震の時には、パニックが怖いと思っている人はいませんか。
災害時にパニックに巻き込まれるのは、恐ろしいですね。
もしかしたら、大地震の現場は、阿鼻叫喚を想像する人が多いのかも知れませんね。
実際には、その逆なんですよ。
震災の現場ではフリーズに近い状態になる人が多く、パニックはあまり発生しません。
ただ、場所と条件によっては、パニックが起きる可能性もあります。
実は、パニックというのは、一定条件が揃わないと発生しないのです。
どの様な条件だと、パニックが発生するのか。
そして、どうすればパニックを回避できるのかを、お伝えします。
パニックが起きる条件は二つあります。
- 出入り口が狭い
- そこにいる人々が、コニュニケーションを取れていない
例えば、出入り口が限定されている場所に、見ず知らずの他人が大勢いる場所では、パニックが起きやすいのです。
具体的には、地下鉄(車内・ホーム)、地下街、劇場、映画館、雑居ビルの娯楽施設などです。
逆に、この2つの条件が揃わないと、パニックは発生しないのです。
会社など、そこにいる人々同士のコニュニケーションが取れていれば、パニックは発生することはありません。
では、パニックの条件が揃った場所で地震にあった時、パニックを回避するには、どうすればいいでしょうか。
こんな実例があります。
ある飛行機事故で、飛行機が不時着し、我先にと脱出しようとした乗客達は、パニックに陥りました。
しかし、何人かの乗客が先導して、
「大丈夫。まずは、女性、子供たちから脱出させよう」
と声掛けを行ないました。
すると、パニックは収まり、整然と全員が無事避難出来たのです。
声掛けによってコニュニケーションが成立したのですね。
大地震の発生時には、積極的に周りに人に声掛けを行なって下さい。パニックを回避できるかも知れません。
また、周りの人とコニュニケーションを取ると、口コミで有益な情報が手に入る事もありますよ。
ここまでは、パニックを回避する方法をお伝えしました。
ただ、災害の研究で、パニックを起こす事は、時には大切だともされています。
意外ですが?
正常化バイアスについて以前書きましたが、人間は突然の大災害を受け止められず、動けなくなり、避難行動が遅れてしまうのです。
阪神大震災の時は、震度7の衝撃は大きく、みんな口がきけないような状態でした。おしゃべり大好きな関西人がですよ。
ボーっとする、腑抜ける、凍りつく、など人によって表現は様々ですが、パニックさえ起こせない硬直してしまうような状態になってしまうのです。
地震後、多くの人が集まっていたのに、シーンと静まりかえっていたのを覚えています。
でも、もし危険が迫っていたら、時にはパニックを起こして、必死に逃げる事も必要なのです。