「安心」と「安全」は違う。災害時にしがちな間違った行動とは
大地震など災害にあうと、その現場では次々と判断が迫られます。
何が危険なのか安全なのか、いつどこに避難すべきか、混乱する状況で何を優先すべきなのか。
しかし、災害時に冷静な状況判断は、とても難しい事なのです。
心理的は要因がいくつも絡み、正しい判断が出来なくなるのです。
災害時の判断ミスは、命にも直結します。
避難指示をする人が判断ミスをすると、大勢の人の命が失われる事もあるのです。
どんな心理状態が判断を間違わせるか、是非知ってほしいと思います。
重要なのは、「安心」と「安全」は違うという事です。
災害時に命を守る為に、大切なのは言うまでもなく「安全」です。しかし、災害時は、人は不安になり「安心」を求めてしまいます。
安心するため、しがちな行動は、とりあえず人と同じ行動をとる事です。
いわゆる「みんなといれば大丈夫」ですね。多人数同調バイアスです。
でも、これは大地震の発生時には大変危険な考え方です。
みんなが逃げた方向が、必ずしも安全とは限りません。
例えば小学校などの避難場所は、暮らせる場所ですが、安全が保障された場所ではありません。住宅街などは、火災の危険性も高いですし、大火などから守る対策はなされていないのです。
もし近くに火災の煙が見えたら、身の安全を守る為には、広域避難所に避難する必要があります。
でも、小学校などに人はいっぱいいたら、みんなと一緒のいる事で「安心」して、そこに留まる事が「安全」と判断してしまうのです。
とりあえず、みんながいる方向へ進み、みんなが留まっている場所に留まりたいと思うのが、災害時の心理なのです。
そして、みんなと一緒という「安心」と手に入れると、ホッとしてしまい、「安全」の追求を怠ってしまうのです。
それは、大地震などの精神的ショックで、判断能力が落ちているからでもあります。
防災知識が乏しく、自分で判断出来ないと、他人に判断をゆだねようとしてしまします。
しかし、これは大変危険の事なのです。
大正の関東大震災では、数万人が避難した場所の火炎旋風が襲い、大惨事となりました。
大地震の後には、自分の命は自分で守らなければなりません。
判断を他人に委ねては、絶対にいけません。
また、浅い防災知識で避難誘導する事も避けて下さい。
そして、正しい判断をするためには、正しい防災知識を身につけて下さい。
東日本大震災の時に、「釜石中学校の奇跡」と言われるエピソードがあります。
釜石中学校は、日頃から防災教育に力を入れ、専門家から生徒に、独自で判断できる知識を教育していました。
地震発生後、生徒達の判断で早期の避難が行われ、それが地区の人々の避難をも促しました。
そして、大津波は校舎の屋上まで達しましたが、死者は一人も出なかったのです。
「大川小学校の悲劇」と対比するエピソードです。
自分自身で命を守る為には、防災知識を学ぶ事は、大変重要なのです。
人を引率する立場なら、猶更です。
知ってるつもり、では役には立ちません。現実的な防災対策をこのサイトで学んで下さい。