被災者発信、メウロコ地震対策

防災だけじゃ足りない。防災・避難・復興まで、震度7被災体験を基に、リアルに指南します。

大地震後の怪我人の救護で、気をつけないと危険なポイントとは

地震の現場では、怪我人の救護も必要となります。

しかし、知らないと怖いポイントがあります。

救護の際に気をつけなければならない事について、お伝えします。

 

まず救護の際に気をつけたいのは、感染対策です。

特に、血液の扱いには、充分注意しなければなりません。

血液には、けっして不用意に触れないで下さい。

救護の際には、ビニール手袋などをはめて下さい。無ければ、ビニール袋などを手に被せましょう。

以前、ある事件で、怪我人が多数出た時、善意で怪我人の救護をした人が、病気に感染してしまった例がありました。

怪我人救護に備えて、非常用備蓄に、ビニール手袋を入れて下さい。

職場などにも、ファーストエイドともに備えましょう。

 

人口呼吸についても、マウストゥーマウスの直接口を合わせる方法は、感染症予防の観点から、お奨めできません。

心臓マッサージの際に、以前はマウストゥーマウスの人口呼吸をする事が良いとされていました。

しかし、最新の考え方では、必ずしも必要ではないとされています。

人口呼吸をするなら、専用の蘇生用マウスピースを使って下さい。

これは、吹き込み口に逆流防止弁が付いていて、感染予防できるようになっています。

この蘇生用マウスピースはAEDのセットの中に入っていますので、いざという時は、これを使って下さい。

 

機会があったら、積極的に救命救急講習を受けましょう。応急処置の基礎知識や、心肺蘇生、AEDの使用方法などを学べます。

心臓マッサージやAEDの使用は、一人では大変で、介助してくれる人が必要となります。

大規模災害の現場では、救急隊が来てくれるとは限りません。多くの人が、救命救急の知識を身に着ける事で、救命率は上がるのです。

 

地震の際には、建物が倒壊して、下敷きになったり、挟まれるような被害も起こります。

こうした時の救護にも、充分に注意をしなければなりません。

手足など身体の一部を挟まれた状態だと、その患部に血栓や有害物質が発生することがあります。

そうした状態の人を不用意に助けてしまうと、血液が一気に体内を巡り、有害物質や血栓が脳や肺に至り、命を落とす事があるのです。

救急隊や医療関係者は、こうした知識を持っていますので、挟まれた人の救護の際には、一刻も早く専門家を探して下さい。

素人判断は、大変危険です。

 

地震後の避難で、車の中で避難生活を送る人達の中で、エコノミークラス症候群で亡くなる方が、新潟や熊本でもいらっしゃいました。

悲劇を繰り返さない為に、良く考えて下さい。

車があるなら、一時的でも被災地から出る事を考えて下さい。

無理に被災地に留まる必要はないのです。

少し被災地を離れれば、手足を伸ばして眠れる場所を確保できるはずです。

無理に被災地に留まって、得する事は何もありません。

辛い思いをして、命を落とすなど、最悪ではないですか。

 

こうした知識は、まだ一般には普及していません。

知っていると知らないとでは、大違いです。

知る事の大切さを感じて頂きたいと思います。