防災の日にトライ! 10分で出来る地震対策「机上防災訓練」のススメ
9月1日は防災の日です。
各地で大地震などを想定した防災訓練が行われます。
なかなか訓練に参加できない人も、パソコンの前で簡単に出来る防災訓練があります。
「机上防災訓練」です。
これは、出された課題について、自分の行動をシュミレーションする訓練です。
実際に身体は動かしませんので、どなたにも簡単にトライできます。
でも、効果は大変高いのです。
自分の防災への認識が正しいのか、確認する事が出来ます。
防災の日に、トライしてみて下さい。
机上防災訓練の最大の特徴は、事前情報が何もないことです。
何処で、震度はいくつで、規模はどれくらいの地震が発生したのか、全く情報が無いところから始まります。
実際の地震というのは、そうゆうものですから。
では、大地震発生を想定した、簡単な机上防災訓練を開始します。
課題は3つです。
課題に対して、自分が取るであろう行動を書きだすか、思い浮かべて下さい。
課題1
あなたは、自宅の台所にいました。突然、突き上げるような揺れがあり、激しい横揺れが襲いました。立っていられないような揺れです。
あなたは、どうしますか。
箇条書きなどで、揺れを感じた直後の行動を書きだして下さい。
シミュレーションが充分にすんだら、次の課題の進んで下さい。
課題2
揺れは一旦収まりましたが、大きな余震が続きます。家具は倒れ、ガラスが散乱し、壁にはヒビが入っています。体感からも、大きな地震だと判りました。他の部屋からは、家族の声が聞こえます。
あなたは、どうしますか。
大きな揺れから身を守った後の、初期対応についてシミュレーションして下さい。
やるべき事の優先順位も考えて下さい。
シミュレーションが充分にすんだら、次の課題の進んで下さい。
課題3
余震が続き、避難をためらっていたら、遠くに火災と思われる煙が上がっているのが見えました。近所では、火は出ていません。
あなたはどうしますか。
周囲の状況が変化した時の対応について、書き出して下さい。
何処に、どのルートで避難するかも、シミュレーションして下さい。
さあ、いかがでしたか。
地震防災を理解しているつもりでも、案外戸惑った人も多かったのでは。
では、模範解答です。ご自身の答えと、比べてみて下さい。
ただし、これはあくまで目安です。
地震は発生場所やメカニズムのよって、被害と対応が異なりますので。
何か、地震の対応に足りないものはないか、いけない行動はしていないか、確認する事が重要なのです。
課題1
あなたは、自宅の台所にいました。突然、突き上げるような揺れがあり、激しい横揺れが襲いました。立っていられないような揺れです。
あなたは、どうしますか。
◎クッションなどで頭を守る
◎食器棚から離れる
〇家具の隙間で身を縮める
〇台所から飛び出る
△テーブルの下にもぐる
×ガスの火を消す
×倒れそうな家具を押さえる
×勝手口を開けて、出口を確保する
台所は、家の中で最も危険な場所です。
まず、食器棚から離れる事。可能なら、隣室に飛び出ましょう。
テーブルの下は、ガラスが降り注ぐ状況では、安全とは言えません。
火の始末や出口確保は、揺れが収まってから、安全確保の上で行います。
課題2
揺れは一旦収まりましたが、大きな余震が続きます。家具は倒れ、ガラスが散乱し、壁にはヒビが入っています。体感からも、大きな地震だと判りました。他の部屋からは、家族の声が聞こえます。
あなたは、どうしますか。
〇まず、大声で家族の名前を呼び、反応を待つ
×家族の元へ直行
〇夜間は灯りの確保(懐中電灯を探す)
〇足元と余震による落下物に注意しながら、家族の元に向かう
〇怪我の場合は、応急処置
×パニックになって、電話しまくる(電話は不通)
◎ラジオやSNSなどで情報収集(地震の規模、震源、被害など)
△各部屋の被害把握
×散らばった家財の片づけ
〇出口の確保、確認
〇窓の外の状況確認(倒壊、火災はでていないか)
〇避難準備開始
◎津波危険地区は、即避難決断
大切なのは、身の安全を確保しながら、情報収集をする事です。
津波火災など、どんな危険が迫っているのか。また被害の状況を把握する事が重要です。
課題3
余震が続き、避難をためらっていたら、遠くに火災と思われる煙が上がっているのが見えました。近所では、火は出ていません。
あなたはどうしますか。
◎早期の避難決断
×とりあえず室内で様子をみる
×落ち着くため、まずは一服(煙草・お茶など)
〇急いで、避難準備を進める(持出し荷物、食品の選別)
〇貴重品をまとめる
〇着替え、雨具の準備
×火災の状況を確かめる為、外に出て見に行く
◎可能なら冷蔵庫の中の物を食べる
◎ブレーカーを落とす
◎厳重な戸締り確認
△避難先のメモを残す
◎なるべく広い道を通って避難
△小学校などの避難所に避難する
◎広域避難場所へ避難する
震災火災は延焼スピードが速いため、特に住宅密集地では早めの避難が必要です。避難先は、広域避難場所です。屋根が無いため、雨戸は必須となります。火事場泥棒にも警戒が必要です。
訓練は以上です。
なにか気付きはありましたか。
こうしたシミュレーションを行い、防災意識を高めるだけでも、立派な地震対策になります。
お付き合い、ありがとうございました。