被災者発信、メウロコ地震対策

防災だけじゃ足りない。防災・避難・復興まで、震度7被災体験を基に、リアルに指南します。

熊本地震で耐震・免震の建物が、なぜ倒れたのか

熊本地震では、耐震・免震の建物や、現在の耐震基準を満たした建物にも、倒壊などの被害が出ています。

NHKで、その検証番組が放送されました。

 

一戸建ては、新基準の耐震を満たした築年数が浅い建物でも、一階が潰れた建物がありました。

その建物を検証すると、設計に問題点がある事が判りました。

 

ある住宅は、1階に20畳の広いリビングがありました。

その為、2階に比べ、仕切りの壁が1階には少ない状態だったのです。

壁は建物の揺れを支える為に、重要なものです。

その為、耐震基準を満たしても、1階が揺れに耐えられなかったのです。

 

また、1階の南面全てに広い窓を取った建物も、1階が倒壊しています。

デザイン重視で壁や柱を減らすと、強度は当然弱くなります。

広いリビングや、窓の多い開放的な住宅は、魅力的で消費者の求めるものでもあります。結果的に耐震に問題のある住宅が多数売り出されている事も現実です。

住宅倒壊は、身体的・経済的に大きな打撃を与えます。時には命さえ奪うのです。

特に1階は潰れやすい為、デザイン重視で選ぶのは危険です。

 

免震のビルなども、被害を受けています。

実は、土台のゴムを入れて揺れを逃がすタイプは、通常の地震では強いが、長周波地震動には弱いのです。

長周波地震動は、東日本大震災の時に、東京・新宿の高層ビルが大きく揺らされました。

南海トラフ地震では、離れた首都圏のビルも、被害を受けると予想されています。

 

免震装置は、通常の地震(短周波)地震を想定して設置されている為、長周波地震動の大きな動きには耐えられないのです。

 

要するに、免震・耐震とうたっている建物でも、基準を満たしているだけで、想定以上の揺れには、耐えられないのです。

そして、自然はいつも人知を超えてきます。絶対安全、はありません。

 

建物を安全に選ぶコツは、まず地盤を見る事です。

「地盤が悪くても、耐震の建物だから大丈夫」という考え方は危険です。

 

 

地震対策アドバイザーとして、リアリティのある地震対策の普及に努めています。

今後も、身近な地震対策を発信していきますので、よろしくお願いいたします。

 

HP http://www.jisintlab.jp/ 地震対策ラボ

個別の地震対策点検、無料メール相談も受け付けています。

イベントやセミナー講師などもご用命下さい。

地震対策アドバイザーのブログ