被災者発信、メウロコ地震対策

防災だけじゃ足りない。防災・避難・復興まで、震度7被災体験を基に、リアルに指南します。

大地震の後はガスが危ない。都市ガス、天然ガス、ガスタンク

大地震発生後に注意しなければならないのが、ガスの危険性です。

いろいろな種類のガスが脅威となります。

 

まず、気をつけたいのが、都市ガスです。都市ガスは、ある程度の揺れを感知すると、元栓が閉まるようになっています。

ただし、室内の配管が破壊されたり緩んで、ガス漏れの危険があります。

阪神大震災の時は、我が家では和室の天井から水漏れがして、大変な事になりました。

恐らく、配管が緩んで起こったことだと思います。

水の配管に起こったので、ガスの配管に起こってもおかしくはありません。

壁の内部の事なので、ガス漏れは気付かない可能性があります。

大地震後、ローソクで灯りをとったり、煙草を吸うのは厳禁です。

 

忘れがちなのが、天然ガスの脅威です。

特に南関東には、日本最大の天然ガス田があるのをご存じですか。

千葉県を中心に、茨城県・埼玉県・東京都・神奈川県の一都四県に及びます。

これが、地震で一気に地上に吹き出る可能性があります。

室内に溜まると、爆発の危険性もあるのです。過去には、千葉の九十九里いわし博物館など、爆発事故が何度か発生しています。

関東大震災の時に起きた火炎旋風は、天然ガスが関与したのではないか、との説もあります。

地震の後は、不用意に火を使わず、早めに屋外に避難しましょう。

 

また、ガスタンクやガスコンビナートなども、爆発の危険があります。

阪神大震災の時は、阪神地区の浜手にあるガスタンクが爆発の危険性があるとして、退避命令が出されました。幸い、爆発には至りませんでしたが、住民は家屋が倒壊している混乱の街を、恐怖の中で山手まで逃げまどいました。

近くに施設がある方は、遠方への避難を視野に入れ、早めに行動を開始して下さい。

 

ガスは目に見えないので、地震後の混乱で忘れがちです。

注意して、地震直後は火気使用は控えるようにして下さい。

大地震の後は情報遮断が怖い。情報収集の大切さと、その方法とは?

大地震の後で怖いのは、情報遮断です。

 

地震が起きた後は、震度はいくつで、震源がどこか、まず判りません。

自分のいる場所が安全なのかどうかも、情報が入らないと判断出来ません。

ですが、被害が大きい場所ほど情報が入りにくくなります。

大地震発生時は、火災や津波、放射能や火山など、様々な危険性を考慮に入れなくてはなりません。

どの方向に逃げれば安全なのかも、情報が無ければ判断できません。

 

このように、地震で安全に避難するのは、思っている程、簡単ではないのです。

被災地から離れた場所では、情報も入りますし、報道などで被災地を俯瞰で見る事も出来ます。

しかし、被災地では、周囲の事しか判らず、途方に暮れてしまいます。

 

大地震の後は、殆どの人が「頭が真っ白」に近い状態になり、判断力が落ちます。

しかし、まず、情報収集をする事が大切です。

そうでないと、避難が遅れてしまったり、危険な方向に逃げたりしがちです。

 

ラジオなどで情報収集が可能と思っているかも知れませんが、マスコミもすぐに全体被害が把握できる訳ではありません。

私が阪神大震災の際にラジオで聞いた情報は、

「こちら、京都です。京都は震度4でした。特に被害はありません。・・・こちら大阪駅前です。震度5でしたが、特に被害はありません」

と、とぼけた内容でした。

これは、神戸の放送局が全て被害を受け、情報が伝わらなかった為に起きた事です。

その為、私は震源に近い神戸市垂水区にいましたが、神戸中心地で起きている事を知るには約6時間もかかり、まさかそんな大規模な災害だとは思っていなかったのです。

 

大地震後の情報収取は、口コミが重要な役割を果たします。

各自、SNSやラジオなどで情報収集を行うと思います。

しかし、通信状態も不安定な中で、個人が手に入る情報は限られています。

そこで、周囲に思い切って話しかけ、情報を共有しましょう。

自分の得た情報を伝え、その人が持っている情報を教えて貰いましょう。

 

ただし、デマなどの危険も、勿論あります。情報の出所などを聞き、精査する事は大切です。

地震後の情報収集は、命を分ける大切な要素でもあります。

大地震後の世界は、アナログの世界です。原点に戻り、人間のネットワーク力を発揮して、情報収集に努めて下さい。

地震対策で、正しい家具の固定の仕方とは? 賃貸ではどうする?

地震対策で重要なのが、家具の固定です。

ちゃんと出来ていますか。

固定の重要性を判っていても、出来ていない家庭も多いのではないでしょうか。

また、やっているつもりでも、正しく出来ていない事もあります。

今日は、地震対策の第一歩、家具の固定についてお伝えします。

 

タンスや食器棚・本棚など、大型家具を固定するには、L字金具で壁や柱にしっかりと固定する必要があります。

ここで、注意したいのが、壁に固定する時は、壁の中の梁を探して、そこにボルトが一定の長さが入らないといけない、という事です。

ただ壁に固定しただけでは、震度6強~7クラスでは、すぐに金具が抜けてしまい、殆ど効果はありません。

壁の中の梁を探すには、壁をハンマーなどで叩いて、音の違いを聞きわける方法があります。

一般の方にはむずかしいので、工務店等に依頼する方が無難です。

 

家具の固定は、少し大変だと感じましたか。

賃貸などで、壁に穴を開けたくない方も多いと思います。

そうした方には、ツッパリポール型の転倒防止具が有効です。

 

アイリスオーヤマ 防災グッズ 家具転倒防止伸縮棒 ML 高さ50-80cm ホワイト KTB-50

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ただし、天井の材質によっては、使えない事もあります。

耐えうる重量もありますので、説明書を良く読んで設置して下さい。

 

手軽に出来る方法としては簡単な方法は、段ボールで上に開いている隙間を埋める事です。中には、衣服などを詰めて下さい。

段ボールは紙で弱そうですが、震度7クラスでも転倒しないと実験結果が出ています。

 

家具の固定は重要ですが、出来ない場合は、家具を配置換えする方法もあります。

家具が転倒した時をシミュレーションして、転倒しても生存スペースが残る配置にして下さい。

就寝するスペースの近くには、タンスなどの大型家具を置かないのが基本です。

タンス部屋をつくり、大型家具を一部屋に集めて、そこに寝ないのもお薦めの方法です。